荷重移動についての考察

久しぶりの考察シリーズです.
しかもテーマに前回全くまとまらなかった「荷重移動」を選びました.
<過去の記事>
荷重移動についての考察
荷重移動についての考察 続き

このあと,たぶんかなり長く書くことになるので,今回は先に結論を
書いておきます.ウダウダ書きますが,要するにこんなことです.

結論:
・ダンパーを柔らかくすると,荷重移動が遅くなる.(面圧は低い)
・バネを柔らかくすると,荷重移動が遅くなる.
・車重を重くすると,荷重移動が遅くなる.

とりあえず「荷重移動」については大きくこう考えています.

そのほかにも,小難しいところでは
・ロールセンターが荷重移動を「機械的(機構的に)伝わる荷重移動」と「バネ・ダンパーを通して伝わる荷重移動」に分けるものである.(これは過去の記事での理論と同じ)
・荷重移動が減るほど,タイヤの合計CFは増える場合が多くコーナリング速度を上げるのに効果的.
(これについては,またタイヤについて別で考察するか考えています)
と考えています

では,以下は計算過程とかウダウダと書いていきます~


最近マシンを変えたからか,セッティングの影響が出やすくなった気がしたので,もう一度深く考えてみようと思いました.
マシンを走らせて感じたのは「ダンパーの違いによる影響」です.
具体的にはダンパーオイルを柔らかくすると,マシンがフラフラして走らせにくいんですが,タイムをみるとベストラップはよかったり,感覚的にもコーナーの失速感が少なく速いように思いました.
シャシー剛性を落として曲がるようになると感じた感触と似てるなぁと感じ,荷重移動が関係していると考えました.

まぁ前置きとしてはそんなとこで,今考えている僕の荷重移動についての考えを説明していきます.
前回同様間違っているかもしれないと分かったうえで書いていますので,ツッコミがあればいくらでもお願いします.今回考察が深く出来たようになったのも,前のコメントのおかげだと思っていますし.

とりあえず計算結果から載せて行きます.

計算結果
・バネを変えた場合
spring x
spring Ft

・ダンパーを変えた場合
damper x
damper Ft

・バネ上重量を変えた場合(横力(入力)が同じ場合)
weight x
weight Ft

<追加>
・バネ上重量を変えた場合(横力(入力)が重量に比例する場合)
weight2 x
weight2 Ft
(同じ操作で,タイヤのグリップ力が荷重に比例すると仮定した場合)


このようになりました.今回は感覚的にもあってると思います.
ただし,時間を2秒とって見ていますが,今回は微小時間での仮定なので,実質最初の傾き以外はあまり意味がないです.単純に長く書いたほうが比較しやすく思ったので.
また,各条件についてソフト,ミディアム,ハードでパラメータを1.5倍変化させていますが,過減衰(ダンパーが強め)の条件なので,バネの影響が小さく出ています.

でも,バネ上重量の影響っていうのは計算してみてやっと気がつきました.考えてみると面白いですね.
この結果から考えると,リチウム系バッテリーが普及してバネ上が軽くなることで,マシンにちょうどいいバネ・ダンパーは柔らかい方向にいってると考えられます.だから最近では「シャシーロール」を増やすというのが流行っているのかも・・・.新しいバネ(Xギアやライド)やダンパー(ビッグボアダンパー?)はそれらに合う方向になってきているのかもしれませんが,未だにTRFでもHPIシルバー+#400のオイルダンパーとか使ってるときがあるし,そういう意味ではシャシーロールが重量の差分を吸収しているのかも・・・.
(柔らかいバネ・ダンパーじゃダメなんだろうか・・・やっぱり踏ん張らないからダメなのかな・・・)

//////////////////////////////////////////////////////////////

計算方法とかモデルは以下にまとめました.

前はなんとなくで横力とかロールとかを考えていましたが,バネ・ダンパーについての計算モデルを立てる上でこれらをしっかり考え直しました.そして前の計算の間違いに気がつきました.単純に入力がおかしかったのです.

コーナリング開始時の入力について順番に見ていくと,まずステアをいくらか切ることでタイヤにスリップアングルがつき,タイヤが変形しコーナー中心に向く方向の力「求心力」が発生します.その力がホイール,アームを伝わって車全体に力がかかります.それまで直進運動をしていた車体が求心力を受けて,その慣性によって遠心力,つまり横Gが発生します.このとき,横Gは車輌の重心にかかると計算して問題ないと考えられるので,その力がロールセンター(瞬間回転中心かも)を軸にモーメントして働き,車体が回転することでダンパーを押し縮め,その力がアームに伝わり,タイヤにまで伝わります.

このとき,ロールセンターと重心位置の距離によって同じ横Gでもモーメント(横Gの力×距離)の大きさが変わります.その車体でのモーメントをダンパーで力として受け,アームに力を伝えると考えられるので,考えるべきはそこだけになります.

考えるモデルは外輪の1輪モデル(いちおう前輪を想定)で,ステアリングを切り始めた瞬間から微小時間のダンパーへの入力と出力を考えます.実際にはステアリングをきり足していき,横Gも増えていくのですが,ある微小時間では横Gを一定と仮定します.時間ごとに横Gが変化し,それぞれの微小時間で力の大きさが変わっても,内容的には同じ事の繰り返しなので傾向を見るには十分と考えています.
また微小時間でのロールセンター,重心高の位置は変化しないと仮定します.
またダンパーはダイヤフラムの反力が0(つまりキャップに穴をあけた大気解放ダンパと同じ)で,粘性による特性は線形性を持ち一定と仮定,スプリングも線形性を持ちばね定数一定と仮定しました.これらについても微小時間を考えているため問題のない仮定と考えています.

考えたモデルは以下の図のようになります.(適当な図ですがw)
無題4


計算は運動方程式と力の釣り合いの式を連立して解き,ダンパーの縮み量と出力の時間変化を見ました.
計算式は以下の通りです.
運動方程式:
  無題
力のつりあい:
  無題2

ダンパーの速度に対する反力(これは粘性流体をピストン穴に通す抵抗力が,速度に対するこのように書けるから)の係数をc,スプリングのバネ定数をk,マシンのバネ上重量(1輪分)をm,ダンパーの変位をx,車体からダンパーにかかる力をF,ダンパーからタイヤにかかる力をFtとしています.
これを過減衰の条件で解くと,変位xは以下のようになります.(過減衰でも傾向を見るには十分だったので)
  無題3
速度についてもこれを微分して計算し,これらを力のつりあいの式に代入して荷重の時間変化を計算しました.

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2012-03-16 : 考察 : コメント : 4 : トラックバック : 0
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No title
考察シリーズだとRB1号が突っ込まないと誰も突っ込まないので突っ込みます。

バネ上が重いほうがタイヤに掛かる荷重が減るんですか?ちょっとイメージと合わないです。

2012-03-17 22:17 : ひでぼん URL : 編集
No title
ツッコミありがとうございます^^

今回考えたモデルだと,同じバネ・ダンパー・同じ入力でバネ上を重たくすると,バネ上が動く加速度が小さくなる分,荷重移動が遅くなるという結果になっています.

ただ実際には,重さが変わると入力(慣性力というか遠心力というか)も変わりますね・・・.
これがイメージと違う原因でしょうか・・・.

入力も同じ割合で大きくしたものを再計算してみます.
2012-03-17 22:54 : OKURE URL : 編集
No title
理由聞いて納得。
バネ上が重くなっても入力が同じになるように凄くデリケート且つ丁寧に(同じ意味か?)操縦しているってことでOK?
それなら理解できるよ。
2012-03-17 23:39 : ひでぼん URL : 編集
No title
そうなりますね.
この計算だと,与える舵角とかが違って,バネ上にかかる横力が同じ(おっしゃるように重いもの程,舵角が小さい=丁寧な操作となります)場合についての比較,ということになりますね.
全くそんなこと考えていませんでしたが(^^;


いちおう,バネ上重量の増加と比例した入力の場合についても計算結果を上げておきました.

2012-03-18 00:05 : OKURE URL : 編集
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プロフィール

OKURE

Author:OKURE
RCカーでレースを.ホームコースは奈良の峠サーキットでしたが、仕事の都合で栃木に
移り、今はBRCサーキットがホームです!
基本的に「おかねは掛けすぎない.」「作れるものは作る.」の精神でRCを可愛がっています.

2011年2月 TA05からTRF416にマシンを変更.
2011年7月 TRF416Xにマシン変更
2012年2月 TRF416Xをベースに自作シャーシ416Rを製作.メインマシンに.
2012年12月GPツーリングデビュー RRRゴムタイヤ

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